巨人の沢村投手が鍼灸施術のせいで長胸筋麻痺!?鍼灸師は何をするべきか。

先日『【巨人】球団が沢村に謝罪…施術ミスで神経麻痺』との見出しのNewsが出て、世間を騒がしました。

 右肩のコンディション不良で2軍調整中の巨人・沢村拓一投手(29)について9日、球団トレーナーの施術ミスだった可能性が高まり、同日午前、石井球団社長と鹿取GM、当該のトレーナーがG球場で沢村に謝罪した。

関係者によると、沢村は2月の沖縄キャンプ中に右肩に異変を感じ、同27日に球団トレーナーのはり治療を受けた。長期間症状が改善しないため球団が調査した結果、この日までに複数の医師から「長胸(ちょうきょう)神経麻痺(まひ)」と診断され、「外的要因によるもので、はり治療によって長胸神経麻痺となり、前鋸(ぜんきょ)筋機能障害を引き起こした可能性が考えられる」との所見を得たという。

3月4日のオープン戦、日本ハム戦(札幌D)で危険球退場。以来、精神的要因で制球できなくなる「イップス」と指摘する声もあったが、実際は日常生活の動作でも右肩に違和感が出る神経麻痺だったようだ。

8月に実戦復帰して2軍戦で7登板。9月1日に今季初めて1軍昇格したが、登板なしで4日に登録を抹消された。患部は改善に向かっており、G球場でキャッチボールを行いながら実戦登板を模索中。沢村は謝罪を受け入れ、球団は一日も早い復帰に向けたサポートを約束したという。

ライブドアニュースより転載。

http://news.livedoor.com/article/detail/13592076/

 

このニュースは野球ファンだけでなく、我々鍼灸業界にも衝撃を与えました。

 

目次

このニュースを受けた一般の方々の意見

「はり治療って怖いんだな・・・。」

「ダイジョーブ博士じゃねぇか!」

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「他の選手もプスプスされてないか心配・・・。」

「はりなんて怪しいもんするからだよ!」

なんて感じで、鍼灸に対するイメージがかなり下がっている模様です。

 

このニュースを受けた鍼灸師たちの意見

『どんな治療で神経麻痺になるんだろう?内容を知りたい!』

『鍼灸の細いハリで神経損傷させるなんて不可能だろう!注射針ならまだしも。』

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『どういう風にして因果関係がわかったのか!?団体として抗議せねば!!』

という感じで、鍼灸のせいじゃないだろ!詳細を出してほしい!という意見が多く見られました。

 

実際の所どうなの??

さて、実際の所本当にハリ施術が原因なんでしょうか?

長胸神経の図↓(wikiより転載)

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もともとの大本は首から出てる神経で、鎖骨の下を通って脇腹に行きます。

狙って刺すとなると、気胸(肺に穴をあける)のリスクも高くなりそうです。

ただ、不可能ではないと思います。

またハリが原因でなかったという場合も考えられます。

骨や筋肉が密集し、比較的圧迫が起きやすい部分ですし、自身の筋肉の緊張による圧迫も考えられます。

 

私個人的な考えとしては・・・・わかりません(゚∀゚)

だって施術したわけでも無いですしね・・・。

 

ただ、今回はニュースでもあったように

「外的要因によるもので、はり治療によって長胸神経麻痺となり、前鋸(ぜんきょ)筋機能障害を引き起こした可能性が考えられる」との所見を得た。

との事なので、ハリが原因という事なんでしょう。

実際の所は、診た人にしかわからないでしょうし、鍼灸師には診断権がありません。

お医者様が、「ハリが原因じゃん」と言ってしまえばそれまでです。

 

鍼灸師は何をしなければならないのか。

先ほど少し触れましたが、

お医者様が、「ハリが原因じゃん」と言ってしまえばそれまでです。

それを覆す為には、きっちりとした客観的データが必要だと思います。

覆す以前に、起こりえないという事を、客観的に説明できるようになる事が肝心です。

 

具体的には、ハリを刺すと人体に何が起こるのか、生理学的変化を立証するしかありません。

今大学でも研究は進んでいますが、再現性のある根拠を示すには完全に至っていません。

そもそも、鍼灸師自体が『ハリを刺すと、どうなる?』という事をハッキリと理解していないのです。

こういう事をいうと、益々鍼灸師の立場が悪くなるかもしれませんが、現実としてはこういう状況です。

「経験によって効くのが分かってるから、効く。」

「治ればいいじゃん」

「エビデンスに何の意味があるの?」

こういう声が鍼灸師界隈から、いまだに聞こえますが、いざ事件が起こった時にデータが出せないとこうなるんです・・・。

 

「データは出せないが、ハリのせいじゃない!!」と言っても誰が信じるんでしょうか?

 

結局は自分たちで、どんどん首を絞めて行ってるんですね(;´Д`)

データが無いのは医者も同じ。

さて、前項では散々鍼灸師の現状をこき下ろしました。

しかし、医者が行う施術はすべてデータが揃っているのでしょうか?

実際はそんな事は無いんです。

アセトアミノフェンのwikiから転載してみました

アスピリンと同様にCOX活性を阻害することでプロスタグランジンの産生を抑制するが、その効果は弱い。解熱・鎮痛作用はCOX阻害以外の作用によると考えられているが、詳細は不明である

作用機序の項目より転載

という事で、解熱・鎮痛作用に関してはなぜ効いているのか詳細は不明らしいです。

他にもいろいろありますが、調べやすいのは麻酔についての話です。

もし興味がある方は『麻酔 メカニズム』とかで検索してみて下さい( ´∀`)b

 

さも当たり前に使われている薬たちも、意外とキチンとは説明できないみたいですね。

でも研究は続けられていると思いますし、症例数も多いはずです。

お金のかかり方が違いますし( ̄▽ ̄;)

過去にこんな珍事が

今回のニュースが流れてから知ったんですが、過去に江川卓さんがやらかしてたみたいですね(;´Д`)

引退会見では、優勝のかかった対広島戦を前にして長年傷めていた右肩の故障が限界に達し、即効性があり一時的に力は回復するが投手生命を縮めるといういわゆる「禁断のツボ」に鍼を打つ治療を受けたと語り、引退記者会見に出席した多くのスポーツ記者が、涙をにじませて語る江川の姿にもらい泣きした。しかし、鍼灸関係者から、鍼灸治療でそのような危険な治療方法があるかのような誤解と不安を与えたとの不満と抗議が起こり、そのようなツボが江川が主張した患部(肩胛骨)の裏にあるという事実も確認できなかったため、治療をした鍼灸医の姓名を明らかにするように、鍼灸医の団体から正式な抗議を受けた。この件に関しては、江川サイドから文章で謝罪することで一応の決着が計られたが、鍼灸医団体からの抗議自体が大手のマスコミではほとんど報じられなかった。のちに江川は、引退記者会見でテンションが高まったあまり、思わず口をついた作り話であることを認めた。

wiki 江川卓 (野球)より転載。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E5%B7%9D%E5%8D%93_(%E9%87%8E%E7%90%83)

感極まって、作り話をするのは良いですが、ネタバレ含めちゃんと責任をもって行って欲しいですね( ̄▽ ̄;)

まとめ

鍼灸師が今回のニュースで憤慨するのはわかります。

自分も鍼灸師ですから(;´Д`)

ただ、鍼灸師も経験則から、「神経損傷はありえない!」と声を上げるのではなく、実際にデータをとり、こういうことで起こしえないと言えるようになる必要があるのではないかと個人的には思います。

反論できるだけのものを揃えることで、いざ事故が起こった時に備えられる・・・。

マイナスな見方だけでなく、このことにより、さらに良い認知がされ受療率が上がったりするんじゃないかなぁ~と思ったりします。

あくまでも個人の意見ですし、押し付けてるわけでは無いので悪しからず。

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